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破産を検討中なら…行動を起こす前にご相談を!business
問題の悪化・複雑化を招かないために
様々な事情により会社の破産をご検討中の方にお伝えしたいのは、「事前に、そして一刻も早くご相談ください」ということです。
これまで破産事案を扱ってきたなかで、「こうなる前に、ご相談いただきたかった…」と思うことが多々ありました。
それは“経営状態が悪化した後”というタイミングだけの問題でなく、ご自身の判断で行動を起こされた結果、事態の悪化・複雑化を招くことも含まれます。
例えば、破産手続前に財産を動かしたりすると、破産管財人による否認権が行使されて、本来であれば残せた財産が残せなくなってしまう場合があります。
これは企業を取り巻くあらゆる問題に言えることですが、特に破産・債務整理の事案では行動を起こす前に弁護士へご相談いただくことが大切です。
ご相談をためらって解決の選択肢を狭めたり、問題を複雑にしたりする前に、お早めに当事務所へご連絡ください。
破産申立ては“スピード”と“丁寧さ”
当事務所ではこれまで多数の破産申立て事件、破産管財事件を扱ってきましたが、その経験・実績から、特に会社の破産申立てにおいて重要となるのは“スピード”と“丁寧さ”と考えています。
破産手続における弁護士の役割は大きく“申立代理人”と“破産管財人”に分けられ、債務者から依頼を受けた弁護士が申立代理人となり、破産管財人は破産手続開始決定と同時に裁判所が選任します。
当事務所はどちらも経験があり、両方の視点を持っているからこそ見えてくること・わかることがあると実感しております。
申立代理人は往々にしてスピードを重視しがちですが、適切に業務を遂行せずにスピードばかり重視しては、その後に破産管財人へ適切に引き継ぐことはできません。
スピードも大切ですが、破産の全体の流れを見渡して丁寧に業務を遂行すること、その両方があって初めて最適なサポートが行えるのです。
破産までの流れbusiness
1まずは弁護士へご相談を
会社の経営状態や負債の内容などを詳しく確認して、ベストな方法を検討いたします。破産等の法的手続を経ることなく私的整理、任意整理等による解決が可能な事案もあるため、まずは当事務所にご相談ください。
2破産の決定
弁護士からのアドバイスを受けたうえで、破産すべき事案かどうか、破産申立て時期の問題を含め、相談企業の代表者と共に協議のうえ決定します。
3破産申立てを準備
弁護士が債権者へ受任通知を送付し、金融機関その他の債権者に対し、対外的に破産申立て予定である旨を表明します。
そのほか、従業員への解雇通知や申立て準備に必要な範囲で適切な方法により売掛金の回収などの準備を行います。
4破産申立て
会社の所在地を管轄する地方裁判所へ破産申立てを行います。
5審尋
裁判官と面談し、破産に至った経緯や債務の状況などについて説明します(現在では審尋がなされないことの方が多いです)
6破産の手続開始決定
債務の返済が困難な場合、裁判所が破産手続を開始・決定します。
7破産管財人の選任
裁判所が破産管財人を選任し、財産管理や債権の調査などを行います。
破産管財手続の流れ
破産手続開始申立
審尋
破産手続開始決定
換価・回収手続
- 自由財産拡張の対象の確認
- 財産目録の作成
- 不動産の売却
- 預貯金の解約
- 保険の解約
- 出資金の現金化
- 電話加入権の売却
- 売掛金・貸付金の回収
- 株式の売却
- ゴルフ会員権等の売却
- 機械・什器備品の売却
- 在庫商品の売却
- 自動車の売却
破産手続開始決定
配当原資確保の見通し次第では
債権調査を省略する場合あり
- 債権届出書の精査M
- 帳簿等と照合・破産者に確認
- 不足資料の督促
- (異議を出す旨の連絡)
- 認否予定書の作成
その他 諸手続
- 管財口座の開設・報告
- 前払費用の受領
- 申立代理人より資料(原本類)等を受領
- 諸書類・転送郵便物の管理
- 所有・賃借不動産の現地確認
- 賃借不動産の明渡し
- リース物件の返還
- 継続的契約の解約
(電気・ガス・水道・電話・警備等) - 労働債権の処理
- 労働債権の立替払い手続
- 否認権行使の検討
- 税務申告
財産状況等報告集会
(第1回)・債権調査期日
- 財産状況等報告書
- 報告要旨
- 財産目録
- 破産貸借対照表
- 認否予定書
- 管財口座通帳のコピー
- 期日終了後直ちに、異議を出した債権者に
管財人から異議通知を送付
債権者集会(続行期日)
- 第○回報告書
- 財産目録
換価未了財産の有無を確認
- 換価不能財産の放棄
簡易配当
配当額1000万円未満
- 財団債権支払
- 簡易配当許可申請
- 配当表作成
- 債権者に通知
- 通知到達の届出
- 簡易配当実施
- 簡易配当実施報告書
最後配当
配当額1000万円以上
- 財団債権支払】
- 最後配当許可申請
- 配当表作成
- 配当公告
- 債権者に通知
- 最後配当実施
- 最後配当実施報告書
異時廃止
財団不足により破産債権への配当不可
- 破産手続廃止申立
- 債権者に通知
- 財団債権の現在額確認
- 支払通知
- 財団債権支払
- 財団債権弁済報告書
任務終了債権者集会
- 収支計算報告書
免責手続
(自然人の場合)
- 免責調査報告書
経営者保証GLguidelines
主たる債務者である法人(会社)が倒産手続を選択した場合にも、経営者は倒産手続ではなく、経営者保証ガイドラインをファーストチョイスに!
経営者保証ガイドラインとは
経営者保証に関するガイドライン(経営者保証ガイドライン)とは、経営者保証による弊害を除去することによって、新規の起業、思い切った事業展開、早期の事業再生や清算を促進するために設けられたルールのことをいいます。法律ではありませんが、平成26年2月に「経営者保証に関するガイドライン」の運用が開始され、金融機関が自主的に遵守する準則(ルール)として機能しています。
ただ、同ガイドラインを実際に適用するためには、金融機関等との交渉力が重要となるため、交渉の専門家である弁護士(当事務所)まで、ご相談・お問い合わせください。
次の3つの場面での利用
ⅰ)経営者保証に依存しない融資の一層の促進
新規融資の場面で経営者保証を希望しない場合に、主たる債務者、経営者及び金融機関において、それぞれ無保証融資を実現するための考慮要素が記載されています。
ⅱ)既存の保証契約の適切な見直し
既存の保証契約の解除や事業承継時の保証契約の見直し(旧経営者の保証解除、後継者による個人保証の提供なしの承継)について定めています。
ⅲ)保証債務の整理
同ガイドラインを利用した保証債務の整理により、信用情報登録機関への登録がなされず、破産手続によらない保証債務の整理ができます(メリット)。このガイドラインは、主たる債務者の企業が整理をするにあたり、経営者に一定の資産を残して保証債務の免除を受けることを認めています。破産手続よりも多くの財産を残すことや華美でない自宅を残せる可能性があります(次項以降では、この保証債務の整理局面について説明します)。
経営者の保証債務の処理方法
主たる債務者である会社の金融機関に対する借入金債務が免除される場合、経営者の保証債務は、主に次のパターンでの処理が想定されます。
① 分割返済の継続(保証債務が多額な場合が多く、通常返済が困難な場合が多い)
② 民事再生手続による債務免除(債権者らの一定の同意が必要)
③ 破産手続による免責(金融機関等の債権者の同意に関係なく債務から解放されますが、原則として自由財産の範囲内の財産のみ確保でき、社会的信用を失う、信用情報登録機関に事故情報として登録されて今後の再チャレンジに支障が生じうるなどの不利益があります。)
④経営者保証ガイドラインによる債務免除(後記に詳述します)
保証債務の整理局面におけるガイドラインの趣旨
この局面におけるガイドラインの趣旨は、経営者に早期の事業再生・事業清算への動機付け、経営者の再チャレンジを支援することにあります。
もっとも、保証債務の免除が認められるには、最終的には関係する全ての金融機関の合意が必要であり、その前提として債務者の誠実性が求められることに注意が必要です。この点からも経営者は、日ごろから金融機関と信頼関係を築いておく必要があります。
ガイドライン適用の要件
① 主債務者が中小企業であること
② 保証人が個人であり、主債務者である中小企業の経営者であること(ただし、実質的な経営権を有している者や営業許可名義人、経営者の配偶者、事業承継予定者が保証人となる場合~第三者保証人~も含む)
③ 金融機関にとって経済合理性があること
事業再生や早期清算により、会社(主たる債務者)と保証人(経営者)の弁済額の合計が、会社と保証人が清算(破産)したときの弁済額の合計を上回ることが必要。
④ 関係する金融機関との誠実な協議
金融機関との合意が成立するためには、保証人(経営者)本人の誠実性が鍵となります。
⑤ 適時適切な資産の開示
開示義務に違反すると、債務免除の効力が失われる等の制裁があります。
⑥ 主債務者と保証人が反社会的勢力でなく、そのおそれもないこと
⑦ 破産法に定める免責不許可事由やそのおそれがないこと
ガイドライン適用の効果
① 保証債務の免除
弁済計画案に従い、保証債務から解放されること(免除)が一番の効果です。
② 残存資産の確保
破産時に手元に残せる自由財産(例えば現金99万円など)に加え、インセンティブ資産として、華美でない自宅や、一定期間の生計費に相当する額(概ね33万円×3~8が目安)などを手元に残すことが認められています。
ただし、インセンティブ資産については、「回収見込額の増加額の範囲内」(概ね会社及び保証人が破産するよりも増加する回収見込額の合計額を指します)との上限が定められており、実際に手元にどれだけ残せるかは、最終的には金融機関との協議によることになります。
③ 手続開始後の収入の確保
ガイドラインは、経営者から全ての金融機関に対して、手続を開始する旨の通知(一時停止通知、返済猶予の通知等)を行うことによりスタートします。通知した後の収入により保証債務の弁済をする必要は原則としてありません。
④ 信用情報登録機関の事故情報に掲載されないこと(今後の経営者の再チャレンジのために重要なことであり、破産手続では得られないメリットです)。
保証債務免除のための手続(特定調停・中小企業再生支援協議会の利用)
ガイドラインにより債務免除を受けるためには、原則として準則型私的整理手続を経ることが要件であり、一般的には、裁判所における特定調停手続または中小企業再生支援協議会の関与による手続が予定されています。
この場合、主たる債務者である会社については別の手続(例えば、民事再生、破産など)であっても、特定調停手続等で保証債務だけを整理することが可能です(「単独型」とも言われます。)。
この点、当事務所は、上記中小企業再生支援協議会の専門家委員が在籍しており、経営者保証ガイドラインの具体的な手続の詳細等については、当事務所の弁護士のサポートを受けることをお勧めします。